龍神×紅蓮


「あ!希ちゃん!」


あたしが傍まで行くと、気付いた椿が泣きそうな目をして駆け寄ってきた。


「もう!心配したんだからね!」


頬を膨らませて上目遣いで見てくる。


やばい、可愛い…


「ごめん、泳いでたら知らない所にいて…」


「やっぱりか」


蓮華が呆れたように呟いた。


やっぱり?


どういう事?


「悠司から連絡来たんだよ、希は泳ぎ出すと止まらないから見張ってろって」


え、悠司が?


「来た時にはお前いねぇんだもん、まじ焦った」


蓮華が焦るなんて珍しい…


それだけ、あたしを心配してくれてたって事?


優しい所もあるじゃん……


「お前はもう少し姫だって事を自覚しろ」


「…はい。みんなごめん、心配かけて」


あたしが頭を下げると、


「よし、希ちゃん戻って来たし、バレーしよ!」


って桐が言い出した。


「お前まだ遊ぶのか?」


呆れてる蓮華。


「まだ遊び足りない!ほら行くよ平次!」


何故か平次の腕を無理やり引っ張って行ってしまった。


「待て、俺は向こうで女の子とっ……」


諦めろ平次、桐がそうなると止められない。

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