龍神×紅蓮
再会と真実
コンコン
車で本家の方に帰って来たあたし達は、父さんの部屋に来ていた。
「入れ」
「失礼します」
中に入るといつも通りの父さんと翠さんがいた。
あたし達は並んでソファに座った。
「希、体はもう大丈夫なのか?」
「うん、少し傷が痛むだけであとは大丈夫」
「そうか…」
何か、父さんの様子がおかしい…
「父さん、何かあったの?」
「いや、何もない」
そう言って耳を触る父さん。
あたしは知ってる。
父さんは嘘をつくと耳を触るっていう癖を。
じーーっ
あたしは疑いの目で父さんを見つめる。
父さんも困ったように視線を泳がす。
すると、見かねた翠さんが
「希、彼氏出来た?」
って。
あたしが翠さんの方に視線を移すと、視界の隅で父さんが安堵のため息をついてる。
一体、何を隠してるのよ…
絶対突き止めてやるんだから。