龍神×紅蓮


「翠」


父さんは翠さんに何かを促すように呼んだ。


「…はい、大丈夫です」


何が、大丈夫?


あたし達3人の頭の上にはハテナマークが飛んでいる。


翠さんは、意を決したように話し始めた。


「俺は、ここに世話になる前は佐賀組にいた。人殺しの経験もある」


え…


翠さんが、佐賀組に…


人殺しもした事が……


「人殺しなんてしたくなかった、でも、命令に背くと家族が狙われる危険性があったから…」


翠さんに、家族が居たなんて初めて聞いた。


「そんな俺に次の任務が下された。沢神組に潜入し、隙を突いて沢神竜を殺せと」


そんな…


翠さんが…


「でも頭には初めからバレてて、殺されると思った。でも、人殺しする所にいるなら死んだ方がマシだと思って、死ぬ覚悟をした」


さすが父さん、気付いてたなんて…


でも、それならどうして…


「俺は殺された。そして、梶田翠として新しく生まれ変わったんだ」


え??


どういう事?

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