龍神×紅蓮


佐賀組、何を企んでやがる。


「恨むなら龍神を恨めって」


「俺達が龍神と関わってる事がバレたみたいなんだ」


っ……


あたしらが龍神として紅蓮の倉庫に行ったのは、正体を明かしに行ったあの時だけ。


見られてたって事か…


「ごめん、巻き込んで」


頭を下げる。


関係ない紅蓮達まで、あたし達のせいで被害に合わせてしまって。


「希、俺らはお前に頭を下げてもらいたくてここに来たんじゃない」


顔を上げると、早朝の顔をした蓮華と目が合う。


「俺らも一緒に戦わせてくれ」


何となくは気付いてたけど、これは危険すぎる。


「佐賀組は平気で人を殺す奴らだ、お前らには危険すぎる」


殺せと上から命令されたら躊躇なく喜んで殺す、殺す事を快楽とする奴らだ。


そんな危ない奴らと戦わせるなんて、出来るわけない。


いくら紅蓮が全国No.2で強いとはいえ、あいつらは銃を…武器を使うんだ。


あたし達みたいに、銃弾を避ける訓練をしてない奴らには、死が確定だ。


「危険なのは分かってる、でも仲間をやられて黙ってはいられねぇ」


あたしだって総長だ、その気持ちは痛い程分かる。


でも、これだけは譲れない。

< 194 / 300 >

この作品をシェア

pagetop