龍神×紅蓮


そして、1時間後、時間ぴったりにやって来た紅蓮。


幹部6人と下が10人。


その中には羽季の姿もあった。


全員、顔が引き締まってる。


覚悟が出来た、ってこと。


「そろったな、早速始める。まず、手本を見せる。空雅」


「はい」


当麻の所から帰って来た空雅に、さっきまでの弱々しい姿はない。


『俺の仇取ってこい』


って当麻に言われたらしい。


いつも笑ってる当麻の事だ。


この時も無邪気に笑ってたに違いない。


倉庫の中心にあたしと空雅。


あたしは着ていたパーカーに手を突っ込んだまま、目の前にいる空雅を見据える。


その手の中には銃。


本物じゃなくBB弾のやつ。


当たっても痛くない、と思う…


下のみんなに言わせたら、痛いらしい。


素肌で当たったら赤くなるんだって。


あたし、どんだけ感覚麻痺っちゃってるんだろ。


「あれから俺、また強くなったんです。見ててくださいよ、希さん」


あれから…?


「希さんが変装してきた時ですよ」


変装?


……あぁ!


紅蓮の姫になったって報告に来た時か。


なるほどね。


あの時、動けなかったんだよね、空雅。


どれだけ強くなったのか、楽しみだな。

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