龍神×紅蓮
3章
"あいつ"の正体
学校を辞めて数日が経った。
あたしは倉庫であいつの情報を集めていた。
ちなみに、清羅は本家で仕事、悠司は下の奴らとパトロールに出掛けた。
その時だった。
バァンッ
「!?」
部屋の外から激しい音。
「何があった!」
あたしは急いで部屋を飛び出した。
…っ!?
思わず息を呑み、体も無意識のうちに固まってしまっていた。
「何でここに…」
そう呟くあたしの周りには、守るようにして立つ空雅を含む龍神のみんな。
みんなの目つきは鋭いもので、殺気を十分に出してる。
でも、そんなもの効かないといったように笑ってる奴。
「そんなに警戒しなくても何もしないよ。あ、もう扉壊しちゃってるか、ごめんね」
さっきの激しい音の原因はこいつ。
倉庫の扉を蹴破って入って来たんだ。
「久しぶりだね、希。会いたかったよ」
吐き気がする。
あたしは会いたくなんてない。
声を聞くだけで体が震えそうになる。
こいつは、あたしを…