龍神×紅蓮
気づいたら、どこかの公園に居た。
あたしは1人、ベンチに座って泣いた。
誰1人として公園にはいないから、人目も気にせずあたしは思い切り涙を流した。
……のはずだったが、
「あれぇ?沢神希じゃねぇか?」
俯いていた顔を上げると、どこかの組の組員らしき格好をした男が3人立っていた。
「本当だ、何でこんな所にいんの?それに泣いてるし」
「あ、もしかして仲間に裏切られた?」
そう言って大声で笑い出す奴ら。
腹が立つ。
あたしはキッと睨んだ。
「あんたらどこの奴だよ」
笑うのを止めたと思ったら、次はニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべた。
「俺ら鬼塚のもんだよ、光輝さんの元で動いてる」
「ちなみに、月影をやったのも、紅蓮をやったのも俺ら」
それを聞いてあたしは、驚きと怒りで動く事が出来なかった。
まさか、こんな所で鬼塚組の奴らと会うなんて…
後を付けてきたはずでもないし。
本当に偶然。
いや……これがあたしの運命なのかもしれない。
「光輝に、会わせてほしい」
もう、傷つくのはあたしだけでいいんだ。
だからあたしは…玩具になる。
心なんて持たず、されるがままの人形に。