龍神×紅蓮


覚悟のある奴。


紅蓮の事だろうな…


清羅も本当は分かってるんだ。


紅蓮が、希を救ってくれるって。


あんな事言ったって、こいつらの事信じてるんだ。


それに、清羅も結構キてる。


話す声から、明らかに思い詰めてるのが分かる。


過去に苦しんでるのは清羅も一緒だ。


この件が片付いたらきっと、希と清羅、2人を救う事が出来るはず。


僕は、ずっと一緒に居たのに、何も出来ずにいるんだ。


いつか希は言ってた。


「あたしは2人が居るだけで救われてるんだ」


確かに、手助けはしてる。


それで救われてるのかもしれない。


でも、肝心な所は救えてない…


僕は、無力なんだ…


「悠司、清羅は何だって?」


僕はそこでハッと気付く。


きっと難しい顔してたんだ。


周りの紅蓮達が、どう声をかけていいか困ってるって感じの表情をしていた。


だから、それを見かねた春日さんが助け舟を出したんだ。

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