龍神×紅蓮
そして、俺達は手分けして希の居場所を探していた。
探し始めて1週間が経った時だった。
やっと、見つけたんだ。
繁華街から少し離れていて、人が寄り付かないビル街の一角。
薄汚れた5階建てのビル。
そこに希がいるはずだ。
見つけたのは偶然だった。
俺と颯斗、そして平次の3人で繁華街を探していた。
全国No.2にもなると、俺達の事を知ってる奴らがほとんど。
姫の座が欲しくて近付いてくるケバくて香水臭い女達。
そいつらに囲まれてたら希を探す事が出来ねぇ。
だから俺らは変装してる。
ウィッグ被って、メガネ付けて…
正直似合ってねぇけど。
まぁ、そのおかげで鬼塚組の奴らにもバレてねぇみたいで、繁華街にいた奴らを見つけて、尾行したら見つけたってわけだ。
奴らも馬鹿だよな。
俺達だって気付かずに、
「頭もよくやるよなぁ、好きな女を監禁だなんて」
「あぁ、もはやあいつは頭の玩具だよな」
なんて話して笑ってた。
すぐに希だって理解した。
でも、監禁、玩具、その言葉に怒りが込み上げ、思わずそいつらを殴ってやりたかった。
今にも飛びかかりそうな俺を、颯斗と平次が両脇から押さえつけ、止められた。
「蓮華落ち着いて。今は希ちゃんの居場所を探す事が最優先だよ!」
「そうだ、せっかくのチャンスを台無しにするなよ」
くそっ…
俺は2人を振り払い、奴らにバレないように後をつけた。