龍神×紅蓮
ー蓮華sideー
親父さんに本家に呼ばれ、やって来たら父さんと鉢合わせ。
父さんも呼ばれてたみたいで、2人で親父さんの部屋に行くと、親父さんと希、そして、母さんがいた。
もう何年も会っていなかったけど、見間違えるはずがない。
どうして母さんがここに…
そしたら親父さんは、家族3人で話せと言って出て行った。
続いて希も出て行き、部屋は静寂に包まれた。
それも破ったのは母さんだった。
「あなた、本当に蓮次さん…なの?」
母さんは疑いの目で父さんを見る。
当たり前だよな。
死んだはずの父さんが、目の前にいるんだから。
「あぁ、久しぶりだな、華子。会えて嬉しいよ」
そう微笑む父さんの表情は柔らかかった。
愛おしいものを見るような、そんな瞳。
父さんも、今でもずっと母さんの事、愛してたんだ。
「私もよ。蓮華も、大きくなったわね」
そう言う母さんの瞳も同じものだった。