龍神×紅蓮


ー蓮華sideー


親父さんに本家に呼ばれ、やって来たら父さんと鉢合わせ。


父さんも呼ばれてたみたいで、2人で親父さんの部屋に行くと、親父さんと希、そして、母さんがいた。


もう何年も会っていなかったけど、見間違えるはずがない。


どうして母さんがここに…


そしたら親父さんは、家族3人で話せと言って出て行った。


続いて希も出て行き、部屋は静寂に包まれた。


それも破ったのは母さんだった。


「あなた、本当に蓮次さん…なの?」


母さんは疑いの目で父さんを見る。


当たり前だよな。


死んだはずの父さんが、目の前にいるんだから。


「あぁ、久しぶりだな、華子。会えて嬉しいよ」


そう微笑む父さんの表情は柔らかかった。


愛おしいものを見るような、そんな瞳。


父さんも、今でもずっと母さんの事、愛してたんだ。


「私もよ。蓮華も、大きくなったわね」


そう言う母さんの瞳も同じものだった。

< 296 / 300 >

この作品をシェア

pagetop