龍神×紅蓮
「そんなに警戒しなくてもいいよ、今日は少しお話をしに来たの」
「話、だと?」
「えぇ、まずはこれを見てくれるかしら」
そう言ってあたしは持っていたビデオを哲に投げ付けた。
見事キャッチした哲、その周りの幹部達はビデオを回し始めた。
「これって…」
「嘘だろ…」
ビデオを見てる4人の顔が青ざめていくのが分かる。
下っ端達はそんな彼らを見上げて不安がっている。
「みんなにも見せてあげなよ、本当の裏切り者の姿を」
ざわざわし始める下っ端達。
哲は何も言わずどこからかパソコンとプロジェクターを持ってきて、倉庫の壁をスクリーンにして映像を流す。
そこには、毒牙-ドクガ-、ナイフや銃などの卑怯な手を使って全国No.4まで上ってきた族の総長、久米翔(クメカケル)と抱き合う、貴子の姿。
「どうして、貴子さんが…」
そして聞こえる声。
『作戦は順調よ』
『あぁ、もうすぐ俺らはNo.3だ』
そこで映像は終わり。
月影のみんなは黙り込んでしまった。
「これで分かったでしょ?本当の裏切り者が誰なのか」
クスッ
そろそろかな?
バンッ
あ、来た。
良いタイミング。