龍神×紅蓮
「銀龍と黒龍!?」
あたしと同じような格好の2人。
目深に被ってるフードから銀髪が見えてるのが銀龍。
何も見えなくて背が高いのが黒龍。
あたしは2人に近付いて行くと、
「お疲れ様」
そう言ってまた月影の方に向き直った。
2人は何も言わなかったけど、口元が笑ってた。
「さて、お姫様を出してくれる?」
ネタばらしの始まりだよ。
哲は1度部屋に入ると、貴子を引っ張って出て来た。
「い、痛いよ哲、え?…みんな、どぉしたの?」
怖がってるのは、みんなの視線が冷たいものだったから。
まだ、シラをきるつもりなのね。
「飯田貴子、いや、松本京子(マツモトキョウコ)さん、毒牙は潰しました」
飯田貴子は偽名。
ハッキングしたらすぐ出てきた。
全国No.3のハッカーが居ながら、気付かなかった月影は馬鹿ね。