龍神×紅蓮
遠ざかって行くサイレンの音。
静かになる倉庫内。
さてと、あたしたちも帰るか、もうここには用ないし。
くるっと回って歩き出したのは、あたしだけ。
あれ?2人共帰らないの?
すると銀が、哲に向かって
「真実と偽り、見分けられねぇなら総長失格だ」
そう言った。
は?
これって…
何で銀が知ってんのよ。
まさか黒も!?
視線を投げ掛けると、気付いた黒がにこっと笑った。
はぁ……
隠してたわけじゃないけど、あんまり、知られたくなかったのに…
哲も、いや幹部達はみんな目を見開いて驚いている。
「だからって総長の座を下りたら許さねぇから」
それだけ言うと、あたしの横を通り過ぎて先に行ってしまった。
フッ
あたしと黒はその後を追ったのだった。
銀…
ありがと。