龍神×紅蓮


遠ざかって行くサイレンの音。


静かになる倉庫内。


さてと、あたしたちも帰るか、もうここには用ないし。


くるっと回って歩き出したのは、あたしだけ。


あれ?2人共帰らないの?


すると銀が、哲に向かって


「真実と偽り、見分けられねぇなら総長失格だ」


そう言った。


は?


これって…


何で銀が知ってんのよ。


まさか黒も!?


視線を投げ掛けると、気付いた黒がにこっと笑った。


はぁ……


隠してたわけじゃないけど、あんまり、知られたくなかったのに…


哲も、いや幹部達はみんな目を見開いて驚いている。


「だからって総長の座を下りたら許さねぇから」


それだけ言うと、あたしの横を通り過ぎて先に行ってしまった。


フッ


あたしと黒はその後を追ったのだった。


銀…


ありがと。

< 41 / 300 >

この作品をシェア

pagetop