龍神×紅蓮
そして、周りがガヤガヤと騒がしくなってきた。
もうそろそろ生徒が登校し始める頃だ。
「希!」
遠くからあたしを呼ぶ声。
声のした方を向くと、千歳が走って来た。
その後ろには、哲と大和と勝人の姿もある。
「千歳…」
4人共、申し訳ない、そんな顔をしている。
「俺らの姫に何か用?」
そう言ったのは椿で。
さっきまでのふわふわ椿じゃない。
僕から俺に変わってるし。
それにあたしから離れて、あたしを月影から守るようにして前に立った。
でもそれは椿だけじゃなくて、紅蓮のみんなもあたしの前に立っていた。
俺らの姫。
椿のそのセリフに月影の4人は悔しそうに顔を歪めた。