龍神×紅蓮
そして、あの後強制連行という事で屋上に連れて来られたあたし。
「それにしても、あの飯田貴子が毒牙の姫だったとはね」
「毒牙潰されたみたいだし、しばらくは安心かな?」
「しばらくは、ね」
「でも、No.4が潰されたから必然的にNo.5がNo.4になるわけだろ?そのままノリに乗って攻めてくるかもしれないぞ」
「そうだそうだ!油断大敵だぞ!ま、負ける気しないけど!」
みんながわいわい喋ってる片隅で、どこかを見つめて動かない蓮華。
どうしたんだろ…
「蓮華?」
あたしが呼びかけると、みんなも話を中断して蓮華を見つめる。
「…ん?どうした?」
こっちを向くけど、何か…
心ここにあらずって感じ。
「蓮華、大丈夫?」
「フッ…俺は大丈夫だよ」
軽く笑って言ってるけど、あたしは気づいた。
俺は、大丈夫って。
ねぇ、誰が大丈夫じゃないの?
あたしはみんなを、紅蓮を救いたい。
闇から救い出す。
これは、あたしに課された次の任務。
この任務、必ず成功させてみせるから。