龍神×紅蓮


会って間もないあたしにそう言ってくれたんだ。


なのにあたしは…


初めから信じずにいたよ。


ごめん…


思わず出そうになる涙をぐっと堪えた。


「答えが出たようだな」


「はいっ…」


ありがとう父さん…


やっぱり父さんには敵わないや…


「しかし、最強の金龍が、裏切られるのが怖いなんてな」


なっ!?


前言撤回!


さっきのありがとうを返せ!


誰だって怖いものの1つくらいあるわ!!


「もう帰る!」


あたしは部屋を飛び出した。


「紅蓮なら安心だ、何せ、あいつの子どもだしな」


父さんがそう言ってたのに気付きもせずに……

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