龍神×紅蓮


「え、希?帰ってたのか?」


そう言ってあたしの腕を解き、振り返る。


「うん、もう帰るけどね」


「そっか、元気そうでなにより」


目を細めてあたしの頭を撫でる翠さん。


もう、あたしは16だっていうのに、まだ子ども扱いして!


…でも、嫌じゃない。


それが本心。


「家まで送ろうか?」


玄関まで並んで歩く。


「大丈夫、近くまで迎えが来てくれるから」


今日、紅蓮の倉庫に行く事になってる。


あたしを下っ端達に紹介したいんだって。


だからいつものウィッグを被ってきた。


んで、近くのコンビニに誰かが迎えに来てくれるらしい。


さすがにここまで来られたらまずいからね。

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