龍神×紅蓮
「1日足りとも颯斗の事を心配しない日はなかった。でも、数ヶ月に1回は写真の入った手紙が送られてきて、それだけが救いだった」
それって……
「蓮華、ですか?」
冬子さんはニコッと微笑んで頷いた。
「親子共々、蓮華君には感謝しないとね」
蓮華が…
きっと、無理やり家から連れ出した事を気にしてたんだ…
蓮華なりの優しさってやつだ。
「それから少しして、英斗さんの転勤が決まってこっちに引っ越して来たの。その時丁度蓮華君と会って言ったわ、颯斗が幸せならそれでいいからもう手紙はいいわ、ありがとうって」
お父さんの仕事で転勤…
それを颯斗は知らずに、捨てられたと思って…
「颯斗、ごめんなさいね、ずっと苦しめてしまって…」
今だに顔を上げない颯斗は、首だけ横に振った。