ある日、パパになりました。
それは、優羽と別れて、雪奈と一緒に洋服の店を回っていたときのこと。ふと、ある店先で咲の足が止まった。そこに飾られていたのは、白いワンピース。隣にいる雪奈のワンピースとはデザインが全く違ったが、服全体が白で統一されているところは、同じだった。そして、咲はその店に引き込まれるように入っていった。
その店内には、店先に飾ってあった白のワンピースをはじめ、さまざまな色のワンピースが並んでいた。品揃えから予想するに、ワンピースの専門店のようだった。何着か見ていると、女性の店員が二人のところへやってきた。
「いらっしゃいませ。今日はどのような服をお探しですか?」
その店員の服装もワンピースであり、なかなかにカラフルでかわいいものだった。初めて外で会う人に「えっと……」と咲が口ごもっていると、隣にいた雪奈が、
「この子に合うワンピースを探しているんだけど、何かいいのはありますか?」
と質問する。それを聞いて、
「はい。ありますよ。少々お待ちください」
店員は、周りに掛けてある子供サイズのワンピースを何着か持ってきた。雪奈が、
「これって、試着できますか?」
と聞くと、
「出来ますよ」
と言われ、奥にある試着室に通された。その中に何着か気になった服を持って咲が入る。と同時に店員が、
「娘さんですか?かわいいですね」
と話しかけてきた。雪奈はそれに、「はい。そうなんです」といいたい気持ちを抑え、
「いいえ、姪っ子です。それに、まだ僕独身ですから」
と言うと、姪っ子と言うところには驚かず(普通驚きません)、独身というところに店員は驚きを隠せずにいた。
「そうなんですか!へぇ~~お客様すごく綺麗だから、てっきり旦那さんがいるのかと思いまして。あ、それとその着ているワンピースも綺麗ですよね。どこでご購入されたのですか?」
雪奈は、「あっ、この人僕のこと女性って思ってるんだ。まぁ、男性には見えないか(笑)」と心の中で思いながらそして服のことはちょっぴり自慢げに、
「実はこれ自分で作ったんです」
店員は、さっきよりもさらに驚いていた。とその時、咲が試着室から出てきた。それを見た二人の大人は口をそろえて、
「「かわいい~~♡」」
なんて言っている。咲は予想外な反応に驚き顔を真っ赤にして、シャーッとカーテンを閉めて、中に隠れてしまった。それを見て、
「ああ~もう少しだけ~」
「隠れないで出てきて~」
なんて言っている大人二人。その後も咲の試着ショーは続き、咲が新しい服を着るたびに口々に咲を褒める大人二人だった。
咲の着せ替えタイムは1時間程経ってやっと終わった。しかし、咲はなかなか決められないでいた。今まで着たワンピースはどれも綺麗で可愛い。ただ、今ひとつピンとくるものがない。なぜだろう
?咲は少し考えた……あ!分かった!雪菜さんのワンピースが凄すぎて他のが見劣りしてるんだ……。雪菜さんのワンピースに負けず劣らずの1着……あ、あった!咲は辺りを見渡して店先のショーウィンドウにある白のワンピースに気が付いた。咲は、勇気を出して一言、
「あ、あの!あっちにある白いワンピースも試着できますか?」
と、店先の方を指差して言った。自分で思っていたよりも大きな声が出た。それを聞いた店員さんは、
「あ、あれは、少々お待ちください」
店員さんはそう言い残して
、奥の方へと言ってしまった。店員さんが見えなくなると、雪菜さんが、
「ねえ、咲ちゃん、今のって、まさか、……気付いちゃった?」
「はい、そのまさかです」
この時の二人の顔はおそらく、いたずらっ子の様に悪巧みをしているときの顔だった。
「咲ちゃん、よくわかったね〜こんなに早く気づかれるとは思わなかったよ〜」
「えへへ、ずっと見ていてふと気付いたんです。もしかして、って」
今2人が話している内容というのは、
―――優羽が大のワンピース好きだということ。特に純白のワンピースが。―――
「当の本人は僕が知っていることに気付いていないと思うけどね。よもや、咲ちゃんにまでバレたなんて夢にも思ってないと思うよ」
「パパって、そういうところはわかりやすいですよね」
ここに優羽がいてこの会話を聞いていたなら恥ずかしさで顔を真っ赤にして逃げ出していたかもしれない。特に身内の好きな物事(マニアックなこと)がバレると恥ずかしいですもんね〜。
と、そこに店員さんが奥から戻ってきた。
その店内には、店先に飾ってあった白のワンピースをはじめ、さまざまな色のワンピースが並んでいた。品揃えから予想するに、ワンピースの専門店のようだった。何着か見ていると、女性の店員が二人のところへやってきた。
「いらっしゃいませ。今日はどのような服をお探しですか?」
その店員の服装もワンピースであり、なかなかにカラフルでかわいいものだった。初めて外で会う人に「えっと……」と咲が口ごもっていると、隣にいた雪奈が、
「この子に合うワンピースを探しているんだけど、何かいいのはありますか?」
と質問する。それを聞いて、
「はい。ありますよ。少々お待ちください」
店員は、周りに掛けてある子供サイズのワンピースを何着か持ってきた。雪奈が、
「これって、試着できますか?」
と聞くと、
「出来ますよ」
と言われ、奥にある試着室に通された。その中に何着か気になった服を持って咲が入る。と同時に店員が、
「娘さんですか?かわいいですね」
と話しかけてきた。雪奈はそれに、「はい。そうなんです」といいたい気持ちを抑え、
「いいえ、姪っ子です。それに、まだ僕独身ですから」
と言うと、姪っ子と言うところには驚かず(普通驚きません)、独身というところに店員は驚きを隠せずにいた。
「そうなんですか!へぇ~~お客様すごく綺麗だから、てっきり旦那さんがいるのかと思いまして。あ、それとその着ているワンピースも綺麗ですよね。どこでご購入されたのですか?」
雪奈は、「あっ、この人僕のこと女性って思ってるんだ。まぁ、男性には見えないか(笑)」と心の中で思いながらそして服のことはちょっぴり自慢げに、
「実はこれ自分で作ったんです」
店員は、さっきよりもさらに驚いていた。とその時、咲が試着室から出てきた。それを見た二人の大人は口をそろえて、
「「かわいい~~♡」」
なんて言っている。咲は予想外な反応に驚き顔を真っ赤にして、シャーッとカーテンを閉めて、中に隠れてしまった。それを見て、
「ああ~もう少しだけ~」
「隠れないで出てきて~」
なんて言っている大人二人。その後も咲の試着ショーは続き、咲が新しい服を着るたびに口々に咲を褒める大人二人だった。
咲の着せ替えタイムは1時間程経ってやっと終わった。しかし、咲はなかなか決められないでいた。今まで着たワンピースはどれも綺麗で可愛い。ただ、今ひとつピンとくるものがない。なぜだろう
?咲は少し考えた……あ!分かった!雪菜さんのワンピースが凄すぎて他のが見劣りしてるんだ……。雪菜さんのワンピースに負けず劣らずの1着……あ、あった!咲は辺りを見渡して店先のショーウィンドウにある白のワンピースに気が付いた。咲は、勇気を出して一言、
「あ、あの!あっちにある白いワンピースも試着できますか?」
と、店先の方を指差して言った。自分で思っていたよりも大きな声が出た。それを聞いた店員さんは、
「あ、あれは、少々お待ちください」
店員さんはそう言い残して
、奥の方へと言ってしまった。店員さんが見えなくなると、雪菜さんが、
「ねえ、咲ちゃん、今のって、まさか、……気付いちゃった?」
「はい、そのまさかです」
この時の二人の顔はおそらく、いたずらっ子の様に悪巧みをしているときの顔だった。
「咲ちゃん、よくわかったね〜こんなに早く気づかれるとは思わなかったよ〜」
「えへへ、ずっと見ていてふと気付いたんです。もしかして、って」
今2人が話している内容というのは、
―――優羽が大のワンピース好きだということ。特に純白のワンピースが。―――
「当の本人は僕が知っていることに気付いていないと思うけどね。よもや、咲ちゃんにまでバレたなんて夢にも思ってないと思うよ」
「パパって、そういうところはわかりやすいですよね」
ここに優羽がいてこの会話を聞いていたなら恥ずかしさで顔を真っ赤にして逃げ出していたかもしれない。特に身内の好きな物事(マニアックなこと)がバレると恥ずかしいですもんね〜。
と、そこに店員さんが奥から戻ってきた。