ある日、パパになりました。
担当襲来!!
朝日が上り、カーテンの隙間から陽の光が入り込み綺麗な光の道ができている。外からは小鳥のさえずりが聞こえてくる。
「お兄ちゃん、朝だよー、起きてー。起きないとキスしちゃうぞー?」
バッ!なにか、今葵の声が聞こえたような気がする。俺は急に身の危険を感じ、目を覚ます。あたりを見渡すが気配すら感じない。ふむ、気のせいか。時計を見るとまだ6時半。よし、あと2時間は寝れる。俺は再びぬくもりの残っている布団の中に入ろうとした時、
「お兄ちゃん!二度寝しちゃダメだよ!!早く起きてー」
バッ!どこだ、どこからあいつの声が聞こえる?俺は再びあたりを見渡すがさっきと変わらず気配すらない。そして、俺は声の原因を確かめるべく、また布団に入ろうとしたと同時に、枕元に置いていたスマホから、
「お兄ちゃん、さっきから二度寝はダメって言ってるでしょ!!」
スマホから葵の声が聞こえてくる。なんだ原因はこれか・・・・・・いや、まてまて。なんでアラームがかかっているんだ。かけた覚えないのに。それになぜ、アラームの音声が葵の声で、しかも、スヌーズのタイミングが俺が布団に入ろうとしたタイミングピッタリなんだ・・・・・・あいつ、どこまでハイスペックなんだよ。今度来た時にしっかりと言っておかないと。しかし、また寝ようとしてアラームが鳴ったらたまらないので俺は諦めて起きることにした。と、そこで、初めて布団の中に妙な違和感を感じた。そして、チラリと咲が寝ているであろう隣の布団を見るが、そこに咲の姿は無かった。俺は、もしやとは思いながら、自分の布団をめくって見る。と、そこには咲が俺の腰に手を回し、右足に自分の両足を絡めた状態で寝ていた。俺は少しだけ驚きながらも(予想通りだったので)、咲のほっぺたをつつきながら、
「咲、朝だよー」
と、声をかけると、咲は意外とすんなりと起きた。葵のヤツとは大違いだな。あいつは俺がおデコにキスしないと絶対に起きなかったからな・・・・・・と、懐かしいことを考えていると、咲は「眠いです――」と目をこすっている。
「おはよ、咲。よく眠れた?」
「はい、おはよう・・・・・・ございます・・・・・・」
「じゃあ、ちょっくら、朝ご飯作ってくるね」
と言いながら、俺は朝食を作るためにキッチンに歩いて行く。残された咲は、優羽が部屋を出ていったのを見て、優羽が寝ていた布団に再び潜り込んで、再び眠りへと落ちていった。

咲が二度寝しているとは考えもしない優羽は一人暮らしをするならと教えられた料理の中のレシピの卵焼きと味噌汁とご飯、簡単なサラダを2人分作っていた。

ーーーーー30分後ーーーーー

そして、皿に朝食を盛り付け終わった後、俺は布団をたたみに部屋に戻ると
俺が渋々諦めた二度寝を簡単にしている咲がいた。
「え、咲。なんで二度寝しているんだよ!?朝ご飯だぞ〜、起きろ〜」
と、俺は言いながら、咲を揺さぶり起こす。
「朝ご飯・・・・・・いい匂いです」
と言いながら、また半開きの目をこすっていた。
「咲、ふとんたたむから、手伝ってくれない?」
と言って、自分の寝ていた布団をたたむ。たたみながら、咲に所々コツやマメ知識を教えながら、たたんでいく。その後、布団を押入れに片付けて、テーブルを出して、そこに作った朝食を並べていく。
「パパ・・・・・・すごく美味しそうです」
「お、ほんとに?じゃあ、食べようか」
そして、2人は手を合わせて、

「「いただきます」」

そして、食べ始める。朝食は少なめに作ったからお互いあまり時間はかからなかった。咲が食べ終わったのを見て、また、2人は手を合わせて、

「「ごちそうさま(でした)」」

と言って、俺は食器を持ってキッチンの方に向かう。その途中で、
「咲、食器持ってきてくれない?」
と、声をかけていく。それを聞いて、咲も自分が使った食器を持って、後ろに続く。素早く食器を洗った後、部屋に戻ってきた後、俺はスマホのメールを見る。それを見て、読書をしていた咲に話しかけた。
「今日、俺の担当が来るから。一応知っといてね。まあ、そいつが来たらとりあえず気をつけてな」
「はい・・・・・・(なんだろう?)」
その会話を最後に俺はパソコンに向かい原稿を進め、咲は壁に背中を預けて読書をしていた。
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