ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
新幹線は東京駅に着き、荷物をコインロッカーに入れる柏木さん。
歴代の彼氏は、あたしの重い荷物を率先して持ってくれたりした。
そんな女の扱い方を知っている彼氏が好きだった。
だけど、もちろん柏木さんはそんな気配り出来ない。
普段ならイラッとするところだが、柏木さんなら仕方がないと思ってしまう。
そして、そんな不器用な柏木さんが好きだ。
「おお俺、大学は東京だったんです」
知ってる。
柏木さん、実は有名大学の出身だ。
「だけど、秋葉原に入り浸っていて。
あああんまり、デートスポット知らないです」
「え……」
思わず柏木さんを見た。
あたしはまさに、その秋葉原に行くのだと思っていた。