ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
「秋葉原でもいいですよ」
無理しないでと柏木さんに言う。
すると、柏木さんはすっごく嬉しそうな顔であたしを見た。
「ありがとうございます。
行きたい気持ちは山々ですが……
きき今日は俺との趣味じゃなくて、でででデート……したいです」
柏木さんは真っ赤になって、すごく早口でどもりながら言う。
そんな様子に、やっぱり笑ってしまう。
笑いながら、幸せだと思った。
柏木さん、こんなにもあたしのことを考えてくれているんだ。
この不器用な優しさに、胸がいっぱいだよ。
「ありがとうございます」
あたしは笑顔で答える。
すると、柏木さんはさらに真っ赤になってしまって。
そんな柏木さんが可愛くて、もっと照れている柏木さんを見たくて。
あたしは手を差し出した。