ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
虚しくて、虚しくて
都心のビル群の中にある、東京支社。
そこに、あたしたちはいた。
ガラス張りのビル。
洒落た入り口は吹き抜けになっていて、噴水やエスカレーターが見える。
郊外にある本社とはお洒落度も大違いだ。
「東京ってすごいですね」
あたしは柏木さんに言う。
柏木さんはビルに足を入れた時からカシタカモードで。
黙って頷いた。
そして、受け付けにいる綺麗な女性に言う。
「本社から来た、企画部の柏木と南條です。
企画営業部の打ち合わせに来ました」
そんな柏木さんを見て、やっぱり頰を染める女性。
柏木さんは出来るオーラ満載で、イケメンで。
こうやってファンを増やしてしまう。
悔しいけど。
すごく悔しいけど。
そして、案内された先。
そこには東京支社の企画営業部の方々がずらっと並んで、歓迎を受けた。