ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
「!?」
あたしは言葉を失うと同時に、その様子を凝視してしまう。
そして、やっぱりズキンとした。
柏木さんはあたしの彼氏なのに。
こうやって、他の女性に触れられると、嫉妬でおかしくなりそう。
こんな惨めなあたしに、柏木さんが気付くはずもない。
そして、女性に触れられてもやっぱりカシタカのまま。
赤くなったりなんてしない。
「南條。こいつは、俺の同期の河田美月」
そう、柏木さんは女性をあたしに紹介した。
彼女はあたしを見下すように見て少しだけ頭を下げ、すぐに柏木さんに目を向ける。
そんな河田さんを見て思った。
あたし、邪魔者なんだ。
河田さんは柏木さんを狙っているのに、あたしみたいな余計な虫がいたから……