ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
「あたしでいいんですか?」
柏木さんに聞く。
「あたし、可愛げがないし、生意気だし。
アイドルとか声優とか分からないし……」
「な……南條さん」
柏木さんは、すごくすごく驚いた顔であたしを見た。
その切れ長の瞳が大きくなる。
そして……
「すごく嬉しいです」
顔をくしゃっとして笑う。
まるで太陽のようなその笑顔に、胸の奥底まで焦がされてしまいそう。
あたし……
やっぱり好きなんだ。
柏木さんがかっこよくなくて、キモオタでも、やっぱり好きなんだ。
「きっ……キターーーーって感じです」
あたしも、柏木さんみたいに顔をくしゃくしゃにして笑っていた。