ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
「ん?澪、どうしたの?」
「ううん……何も……」
そう言いながら、なおも慧太郎を凝視するあたし。
慧太郎よ、ボロを出せ、ボロを!!
そんなあたしたちを目敏く見つける柏木さん。
「お前ら、デキてるのか?」
なんて言って。
何言ってるんだろう。
柏木さん、さっきまで震えていたのに。
それに、あたしと慧太郎がデキてしまっていいのだろうか。
だけど、なんだか恥ずかしくて柏木さんを見られないあたし。
こんなあたしと柏木さんを見比べて、慧太郎は笑顔で言った。
「何言ってるんですか?
僕、全て知ってるのに」