ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
それでもやっぱり好きなんです








次の日……





あたしは、泣き腫らした顔のまま出社した。

氷で冷やしても、メイクでも隠しきれなかった。

この顔で柏木さんに会うのはすごく気まずい。

そして、きっと柏木さんは何も思っていないんだろう。





「おはようございます」




人に見られないよう、下を向いたまま挨拶をする。

そのまま、ふと柏木さんのデスクを見る。

いつもは遅めの出社なのに、今日は荷物が置いてある。

ドクンと胸が鳴った。

なんて顔で会ったらいいのだろう。

柏木さんはどう思ってるのだろう。

そう考えると、出社したばかりなのに帰りたくなる。

今日、会社を休めば良かったのかもしれない。






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