ヲタカレ。〜デキる先輩の秘密〜
そんなあたしに、
「澪」
話しかける慧太郎。
あたしは、泣き腫らした目で慧太郎を睨んだ。
慧太郎はあたしを見て、一瞬顔を強張らせる。
やっぱり、泣いていたことがバレバレなんだ。
「……ごめんね、澪」
慧太郎は困った顔で言う。
「昨日……」
そう言いかけた時、
「慧太郎く〜ん♡」
遠くでお姉様が呼ぶ。
慧太郎はぱっと表情を明るくして、
「なんですかぁ?」
にこにこして行ってしまった。