よく分かる桃太郎の攻略法
「おーいっ!」



突然の大声に顔を向ける。

そこにはクリクリした目の可愛らしい男。

茶色い布を首元にグルグルと巻いて、ゆるいズボンからは尻尾が揺れている。

大きい目と耳、細長い尻尾…この動物は…



「お前が異形の者かっ!」

「そうだけど…あなたは、猿?」

「おう!エンジュだ!」



よろしくな、なんてニパッと笑うエンジュに、私も軽い自己紹介をする。

エンジュもカイリと同じ、特徴が少し出ているだけで他は普通の人間っぽかった。



「ねぇ、皆私の事を異形の者って呼ぶけど、何で異形の者だって分かるの?」



確かに私には動物の特徴なんて無いけど、パッと見ただけで言い当てれるもんだろうか。

商店街の皆も、カイリに担がれて通った時にすでに気付いているようで。

それが不思議だったのだ。



「何でって…臭いが全然違うもん」

「臭い?」

「俺たち皆、鼻めちゃくちゃいーんだぜ」



ふむ、なるほど。

動物の嗅覚は人間の何倍もあるらしいし、それでか。
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