よく分かる桃太郎の攻略法
「………えっ?」

「だぁから、俺を仲間にしてくんない?」



いや、今、皆が私を警戒してるって教えてくれたの貴方ですよね?

それを知ってて…良いの?

ポカンとしてる私に、エンジュが「え!?ダメなの!?」と真ん丸な瞳を歪ませる。



「誰も仲間になってくれなさそうなんでしょ?

 だったら良いじゃん」

「いや、嫌な訳じゃないけど…いいの?」

「俺、ずっと鬼退治行きたかったんだ!」



目をキラキラさせるエンジュが子供みたいで、可笑しくて笑いが込み上げてくる。

そんな私を不思議そうに見るエンジュに感謝だ。



「分かった!

 エンジュ、よろしくね!」

「モモセーっ」



それほど嬉しかったのか、体を引き寄せられたかと思うと強く強く抱き締められる。

たかが動物とのハグ。

たかが動物とのふれあい…それなのに。



私より少し背の高い、引き締まった男の身体に…照れてしまった。
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