よく分かる桃太郎の攻略法
「…キジ…」
「ん?」
「…キジ…探すか…」
まだ数えるくらいしか聞いてない声が、私に向けて発されている。
しかも、少しだけ。
少しだけ口端が上がっていて…
「カイリが…笑った!」
ハイジ的な反応を取ってしまった。
無意識だったのか、驚いた表情をしてから意外と大きな右手で顔を覆うカイリ。
顔は見えなくなったけど、耳は垂れていて照れてるのがバレバレだ。
「お前でも照れたりすんだな」
「………………」
「何とか言えよ、この野郎めっ!」
「………………」
犬猿の仲再び。
と言うより、エンジュがただ単に絡んでるだけな気がするけど。
「モモセ」
「何?」
「旅、大変だね」
「そう思うならコトランも一緒に」
「行ってらっしゃい」
「いや、コトランもいっし」
「行ってらっしゃいって、聞こえないの?」
「………はい」
コトランの笑顔が、それはそれは黒かった。
「ん?」
「…キジ…探すか…」
まだ数えるくらいしか聞いてない声が、私に向けて発されている。
しかも、少しだけ。
少しだけ口端が上がっていて…
「カイリが…笑った!」
ハイジ的な反応を取ってしまった。
無意識だったのか、驚いた表情をしてから意外と大きな右手で顔を覆うカイリ。
顔は見えなくなったけど、耳は垂れていて照れてるのがバレバレだ。
「お前でも照れたりすんだな」
「………………」
「何とか言えよ、この野郎めっ!」
「………………」
犬猿の仲再び。
と言うより、エンジュがただ単に絡んでるだけな気がするけど。
「モモセ」
「何?」
「旅、大変だね」
「そう思うならコトランも一緒に」
「行ってらっしゃい」
「いや、コトランもいっし」
「行ってらっしゃいって、聞こえないの?」
「………はい」
コトランの笑顔が、それはそれは黒かった。