よく分かる桃太郎の攻略法
遠慮なく言えよ、そう続けるエンジュが嬉しそうに笑うから。

私もつられてしまう。

するともはやお約束なのか、エンジュに抱き締められた。



まだドキドキはするものの、私も少しは慣れたようで。

伸ばした手で背中を撫で撫でしてやる。

するとエンジュはいつも、嬉しそうに私を離すのだ。



でも今はちと違った。



「おい」

「んだよ、やめろよ!」

「…日が暮れる」



首根っこを捕まれたエンジュが、カイリを睨み上げた。

ただ、カイリには何の効果もないようで、それに対してまたエンジュが吠える。

…やっぱり常識人が必要だな。



プリメロでは二人以外の仲間を作れなかったけど、住民の多いセグセロンドなら。

一人くらい仲間になってやろうと言う変わり者もいるかもしれない。

それに…服も。

未だに着ていた体操着姿のままの自分の格好を見て、ため息を吐きたくなった。
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