よく分かる桃太郎の攻略法
「少しお聞きしますが…

 セグセロンドはここから近いですか?」



そう尋ねてきたのは、派手に着飾った男だった。

髪も色とりどりで、クジャクのヒューマンだろうか。

全体的に派手なのにそれにひけを取らない整った顔立ちで、とても似合っている。



「…ああ。

 馬なら四半刻かからない」

「そうですか、ありがとう。

 食事中に失礼しましたね」



四半刻?

四半刻って何分?

今口を挟むのも失礼なので、後でカイリに聞こうと考えていれば、派手な男と目があった。



「不思議なメスを連れてるんですね。

 旅の途中ですか?」

「え、あ…いえ…鬼退治に…」



そう私が言い終わる前に。

周りにいる馬に乗ったヒューマン達が笑いだした。

冗談だろ、と言わんばかりに。

何だ、こいつら。

失礼な奴等だな。



「失礼ですよ」

そうだそうだ!

ん?誰がフォローを…

そんな事は考えなくても分かった。



だって派手な男が慈しむような目で私を見ていたから。
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