よく分かる桃太郎の攻略法
「…モモセ」

「ん?」

「気になるのか」



だってキジだもん。

気にならないって言ったら嘘になる。



「モモセは!他に気にすることあんだろー!

 買い出しは明日の朝に終わらせて、そのまま鬼退治行くんだからなっ」



頬を少し赤くしたエンジュが、お酒のグラスを片手に持ったままズイッと顔を近付けてくる。

それをハイハイといなせば、近くのテーブルから笑い声があがった。

チュマリのパーティーが陣取るテーブルから。



「アイツらまだ行く気だぜ、鬼退治」

「3人で、しかもそのうちの一人は変なメス!」

「誰か現実見せてやれよ」



舐めくさった言い方にイラッときたものの、ここで喧嘩にでもなったら大変だ。

…そもそも勝てる気しないし。

それこそ捕まえられて、珍しいメスのヒューマンだと見世物にされるかもしれない。

ドナドナ再びだ。

なんて思っていたのに…



「おい、お前ら何か文句でもあんのか!

 このエンジュ様が成敗してやるっ」

「ちょっとちょっと!エンジュっ!!」



うちの特攻隊長が斬り込んでいきやがった。
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