よく分かる桃太郎の攻略法
「…異形の…者…貴女が…」



そんなに驚きなのか、やたらとフォードが見つめてくるけど…

美男子に見つめられるとか、緊張するんで止めてください。



この町の住人は慣れているのか。

久しぶりに来たね、

メスの異形の者とか初めてじゃない、

なんて、話しているのが聞こえる。

ただ、こっちのパーティーメンバーは、とてもとても驚いた顔をしていた。



「私…初めて異形の者に会いました…」

「あの、わっ!」

「お会いできて光栄です」



言いながら手を握られて、フォードに優しく体を包み込まれる。

それは、いつもエンジュにされているモノより優しく感じた。

しかも何か良い匂いがする。



「こら、お前!モモセを離しやがれ!」

「モモセと言うのですね。

 可愛らしいお名前です」



離すどころか、抱き締める力が強まるのを感じて、バタバタと抵抗してみる。

すると、その腕は意外とすんなり離れた。



「ねぇ、モモセ。

 私と一緒に鬼退治へ行きませんか?」

「………はぁ?」



フォードからの言葉の意味が分からず、たっぷり間を置いてから聞き直してしまった。
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