よく分かる桃太郎の攻略法
そのままエンジュの飲むスピードは落ちず…

先に樽を空にしたのは、エンジュの方だった。



「っしゃぁあああっ!!」

「きゃー!エンジュ、凄いよ!」

「モモセー♪」



今は私の方から抱きつく。

それに気をよくしたエンジュが、私の頭に頬擦りをしてきた。

だいぶ酒臭いけど、頑張ったエンジュの頭をグリグリと撫で付けてやる。



これでまずは1勝。

私達が勝つにはあと1勝しなきゃいけない。

でも…

チラリとカイリを見れば、眉を垂らした情けない顔をしている。



「次…私行く!」

「止めとけって、酒飲めねーんだろ?」

「飲んだ事ないけど、何とかなるでしょ」



元の世界では法律上、未成年の飲酒は禁止されてたけど、ここではそんな決まりもないのだ。

だから飲むことに対しては問題ない。

飲めるかは分からないけど、やるだけやってみよう。

そう決心して、さっきエンジュが座っていた椅子に座る。



「モモセさん…大丈夫なんですか?」

「うん、ありがとう。

 私、あの二人と旅、もっともっと続けたいの」

「…頑張ってくださいね」



対戦相手だというのに、コソッと話し掛けてくれるチュマリは純粋なのだろう。

もし勝てたら…

チュマリに仲間にきて欲しい。
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