よく分かる桃太郎の攻略法
こうして一対一で迎えた最後の勝負は、カイリと…



「よろしくお願いいたしますよ」

優雅に一礼するフォードだった。



「ねぇ、エンジュ、大丈夫…なのかな?」

「分かんねー。

 でもアイツは…やると言ったらやる奴だ」

「エンジュ…」



彼の頬が赤いのはお酒だけのせいではないだろう。

普段は何だかんだと喧嘩ばかりしてるくせに、ちゃんと心のどこかでは認めているのが伝わってくる。

二人が本当のところどう思ってるのかは分からないけど…

やっぱり私はこのメンバーで旅したいな。



「これが最終戦です。

 買った方のパーティーの勝ちとなります」



余裕顔のフォードに比べて、カイリは顔を若干ひきつらせている。

最悪ここで二人とお別れになる…

そう思うととてつもない不安と寂しさが私を襲ってきた。



きゅっ。

知らずのうちに握り締めていた手を拐われる。

エンジュの大きすぎない手が、私の手のひらを開かせた。



「では最終戦、スタートですっ!」



樽が持ち上げられたのは同時。

ただ角度がつくのはフォードの方が速い。

カイリは無理して飲んでいるのが分かって、見ているこっちが辛くなる。
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