よく分かる桃太郎の攻略法
体を起こして、よろけそうになりながら立ち上がる。
草が足に絡み付いてきて邪魔をしてくる。
前のめりになった体も気にせず、少し離れた彼に近寄ろうと気持ちが先走ってしまう。
「ねぇ!ちょっとそこの人!?」
黒い大きな布を肩から巻き付けるようにして、まるで旅人のような出で立ちの男。
ビックリしたのは、こんな時じゃなければ近寄りがたくて敬遠してしまいそうなくらい、整った顔をしていること。
薄暗いここでも分かる、特別な黒。
髪も目も、更に全身が黒で包まれているからか、どこか冷たい印象を受ける。
そして謎なのは。
私が彼を見て驚いたように、彼も私を見て驚いているように見えたこと。
「ねぇ、ここはどこな───っ!?」
駆け寄ろうとしていた体に、必死にストップをかける。
ダメだ、近寄っちゃいけない。
彼は───
彼は───恐らくまともな人間じゃない。
草が足に絡み付いてきて邪魔をしてくる。
前のめりになった体も気にせず、少し離れた彼に近寄ろうと気持ちが先走ってしまう。
「ねぇ!ちょっとそこの人!?」
黒い大きな布を肩から巻き付けるようにして、まるで旅人のような出で立ちの男。
ビックリしたのは、こんな時じゃなければ近寄りがたくて敬遠してしまいそうなくらい、整った顔をしていること。
薄暗いここでも分かる、特別な黒。
髪も目も、更に全身が黒で包まれているからか、どこか冷たい印象を受ける。
そして謎なのは。
私が彼を見て驚いたように、彼も私を見て驚いているように見えたこと。
「ねぇ、ここはどこな───っ!?」
駆け寄ろうとしていた体に、必死にストップをかける。
ダメだ、近寄っちゃいけない。
彼は───
彼は───恐らくまともな人間じゃない。