よく分かる桃太郎の攻略法
「あんまり派手な格好はしないで欲しい」

「…どうしてですか?」

「鬼退治に行くのに目立ってどうするの。

 先に見つかってやられちゃうでしょ」

「…なるほど」



分かってもらえて何よりです。

本当に思い付かなかったのか、目から鱗なフォード。

異質の存在としては、あんまり目立ちたくないんだよね。

髪だって初めて会った時のような、クジャクっぽいのはいらないし。



「あ、それからもう一つ」

皆で仲良くやっていくために大事なことがあった。



「…暴走しないでね」

「暴走?ふふ、面白い事を言いますね。私に」



さもご冗談を、みたいな言い方するけどさ。

いや、めちゃくちゃしそうじゃん!

ってかするでしょ、絶対。



「結構…いや、だいぶ…めちゃくちゃ?

 個性強い仲間ばっかりだからさ」

「では…

 私だけはモモセの言うことに従いましょう」



…え?

「モモセの言葉は絶対です」



言いながら私の両手を握って、至近距離で見つめられる。

だから…慣れてないんだってば…



顔が熱くなっていくのが自分でも分かった。
< 77 / 97 >

この作品をシェア

pagetop