よく分かる桃太郎の攻略法
「「「……………」」」

「…似合わない、か…」



膝辺りまである、丈の長いコートのような黒一色の服。

スカートのように広がった裾からはロングブーツが見え、それも黒で揃えられている。

髪も目も生えた耳も全身が真っ黒で…



「良いよ、カイリ!」



思わず拍手をしてしまう程、似合っていた。



「やっぱり私の見立てに狂いはありませんでしたね」

「凄いよ!フォード!天才!」

「ふふ、でしょう。

 ですからエンジュも私の見立てた服を」

「だぁかぁら、着ないっつの!」



賑やかな私達に、カイリが目をパチクリさせた。

と思えば、少しだけ頬を緩ませた。



「良いなぁ、私もフォードに服見立てて欲しーい」

「確かに、プリメロもセグセロンドもオスの服しか置いてねーもんな」

「そうなんだよね。

 服屋に頼んだり出来るのかな?」



男しかいないこの世界、当然と言えば当然なんだけど。

私だっていつまでも体操着姿って言うのは嫌なのだ。
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