よく分かる桃太郎の攻略法
フォード曰く、一から作る訳じゃないから、時間もそんなに掛からないだろうとの事なので。

その間にエンジュの服を選ぶことに。



さっきまで嫌がっていたエンジュは、今は私の横で並べられた服を同じように見ている。

多分ライバルの衣装チェンジが効いたんだろうな。

そう考えれば、単純で可愛いエンジュにも何か似合う物を選んであげたくなった。



「…あ、これ…」



エンジュには赤が似合う。

フォードの言葉通り、赤っぽい服を見ては直して、と繰り返していたら。

懐かしい物を見付けてしまった。



「何だ、服?」

「うん…着物!というか甚平さん!」

「甚平さん?」

「こうやってね、羽織るんだけど…

 私のいた国の着物なんだよ」



灰色の布を肩から外して、甚平さんの上を自分の肩に引っ掻ける。

腕を通せば、男物だからか少し大きかった。



「いいな、それ」

「え?」

「俺これにするっ!」



言うなり、甚平さんの上下を持ってカーテンの方へ走っていくエンジュ。

これにするって…甚平さん?

確かに黒地に赤の模様が入っていて、似合うかなとは思ったけど…
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