よく分かる桃太郎の攻略法
「でも何で甚平さんがあるんだろ…」

「この町は大きい。

 交易も盛んで…色んな町の物が溢れ帰っている」



そう言えばそんな事を言ってたな。

でも甚平さんって…

明らかに日本のだよね。



「モモセの国の物なら、もしかしたら先代の異形の者が作ったのかもしれないな」

「そっか、なるほどね」



誰かが作って、それを見た誰かが真似して、回りに回って今ここに…

それって凄いことだね。

そうカイリに言えば、表情が緩む。



こうやって二人で話す時は、緊張もしないのか普通にしてくれる会話が嬉しい。

笑顔とまではいかなくても、変えてくれる表情にだいぶ慣れてきた。



「…モモセ…」

「なに?」

「戻りたいか…

 元いた世界に」



カイリの質問に首を傾げる。

元いた世界に戻るために、危険を犯してまで鬼退治してるんじゃなかったっけ?
< 82 / 97 >

この作品をシェア

pagetop