よく分かる桃太郎の攻略法
「まぁ、出来ることなら?」

「そうか………実は…」
「お待たせっっ!!」



エンジュの元気な声がこの場に響く。

嬉しそうな声は、こっちまでもが伝染しそうだ。



「どうっどう?」

「似合うっっ!うん、凄く良いよ!」

「へへぇ、ありがとな」



破顔するとはこのことか。

嬉しそうに、甚平を見せびらかすようにクルクル回るエンジュ。

やっぱりフォードの言った通り、明るいエンジュには赤色がよく似合う。

甚平の下には黒のスパッツに近い物をはいているから、これなら動きにくいと言ったこともないだろう。



うんうんと、首を動かしてハッと気付く。

カイリと話してる途中だった。

…あれ、なんだったっけ?



「カイリ、さっき何言いかけたの?」

「…いや、…何もない…」

「?そう?」



カイリの顔を見ても、ポーカーフェイスのせいで表情が読めない。

まぁ大事なことならまた話そうとしてくれるか。

新しい衣裳に身を包む二人を見て、次は私の番だとワクワクしてきた。
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