よく分かる桃太郎の攻略法
「モモセ…私は悲しいです」

「えー、だからって泣かないでよ?」

「じゃあ、それ脱いでください」

「ヤダ」



フォードの繕ったワンピースは好評だった。

エンジュにもカイリにも、店員のオウムのヒューマンにも。

鳥類はオシャレなヒューマンが多いらしく、店員さんはフォードをこれでもかと褒め称えていた。



試着室から出て数歩歩いたところで止まる。

やっぱりお尻がスースーするのだ。

普段からあんまりスカートには縁がなかったからか、ズボンが恋しくて…

コソッと体操着のズボンを下にはいたら、フォードに嘆かれたのだった。



「なー、モモセそれ脱げよ」

「エンジュまでそんな事言うの!?」

「なんか俺変なんだよ。

 モモセの足見てるとドキドキするって言うか…」



おいおい。

それ問題発言じゃないですか。



「はいて無い方がドキドキするんだよな」



堂々としたセクハラ発言はいっそのこと清々しいが。

ズボンは絶対に脱がない事が、今決定した。
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