よく分かる桃太郎の攻略法
「昼飯食ったら出発か?」

「ああ」

「どう進んで行くんですか?」

「…クアトル…を目指そうと思う」



これからの予定を言われても、私にはクアトルが何なのか分からない。

おそらく町なんだろうけど。



「クアトルなら馬で3日は掛かりますかね」

「それまでにある小さな町で食料を補充しつつ、進んで行く」

「そうですね。

 クアトルまで行けば、鬼の所まで近道が出来ますし」



カイリとフォードが話し込んでいるのを、右から左へ聞き流しつつ、パクパクと料理を減らしていく。

腹が減ってはなんとやら、だ。



「モモセ」

「ん?」



難しい話をしている二人をチラチラ見ながら、エンジュが小声で私を呼んだ。



「俺と乗ろうな」

「馬?」

「そう、馬」



まぁ私乗れないし。

誰かに乗っけてもらわなきゃいけないし。

心境はまだ少し複雑だけど、ここは素直に頷いておく。



「やった!」

何がそんなに嬉しいのか。

ニコニコしだすエンジュに、私のささくれた心が少し癒された。
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