よく分かる桃太郎の攻略法
「とめてぇぇぇえっっっ!!!」



癒されたのは束の間の事だった。

癒された私の心を返してください。



「わ、わりっ、大丈夫か?」

「大丈夫…なわけないじゃないっ」

「お、おう、すまねー」



約束通り昼食後セグセロンドを後にし、エンジュの馬に一緒に乗ったまでは良かった。

エンジュに支えてもらって、落ちないようにかかえられて…

馬が直角に飛び跳ねるのを体験した。

ウイリー状態に、思わず白目を向きそうになる。

このままじゃ食べた昼食がこんにちは、しちゃうよ。



馬から降ろしてもらって、そのままズルズルーと座りこむ。

何だか馬恐怖症になりそうだ。



「…モモセ…」

「…………」



正直もう馬なんて乗りたくない。

車が良い、車が。

そう思っていても現実、車なんてここには無い事は理解してる。



だから。

この中では一番信用に長ける男の手を取るしか無かった。
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