よく分かる桃太郎の攻略法
「大丈夫か?」

「…うん…平気」



後ろから両腕で私の体を挟んで、自分の体にくっつけるよう固定されている今。

カイリが喋ると、その声が頭蓋骨に響く感覚がして…

ドキドキするのに、どこか落ち着く…

不思議な感覚だった。



カイリの手綱捌きはなかなかのもので。

さっきまでの揺れ方が嘘のよう。

初めて会った時に担がれた時もそうだったけど、私に負担が来ないよう配慮してくれてるのが分かる。



「ありがと」

「………………」



カイリは何も言わない。

でも、私の体を固定する腕に力が入った気がした。
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