よく分かる桃太郎の攻略法
次に起きた時には、隣にエンジュの姿は無かった。

代わりにエンジュの布が私に掛けられている。



もぞもぞと起き上がって、岩穴の出口へと向かえば。

私に一番に気付いたエンジュが、ニッコリ笑ってくれた。



「おはよ」

「ん…おはよ。

 あ、これ…ありがと」

「寒くなかったか?」

「おかげさまで」



布を持ち主の元へ返してから、火を囲むようにして座っている皆と同じように座った。

すると、すぐに左から差し出される温かそうなスープ。

思わずお腹がグーっと飛び起きた。



「元気なお腹ですね」



クツクツと笑いながら、フォードが私の手にスープの器を乗せてくる。

それはじんわり温かくて、カイロ代わりになった。

寝起きのお腹にはスープくらいがちょうどいい。



私がスープをとろとろと飲んでいる間に、三人は火の当番の順番を決めて、仮眠を取る者とに別れようとしていた。
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