君の声で目覚める朝。
「どうして、謝るのさ」
「...急で、迷惑だったでしょ?」
「そんなわけないよ。僕に会いたいって、思って来てくれたんでしょ。...嬉しいよ」
そう言えば、彼女は泣き顔のまま優しく微笑む。それが可愛くて、思わずまた抱き締めた。
「ねぇ、夏帆ちゃん」
「なぁに、唯くん」
「...僕もさ、会社ではいろんなことがあって。すごい辛いこととか、嫌なこともたくさんあった。だけどね、その分、良いことも、嬉しいこともあったよ。」
「...うん」
「僕さ、今年で、社会人になって4年経つでしょ?それに、一応普通に生活できるくらいの、お給料ももらってる。」
「...うん」
「だからさ。もし、働く会社で、上手くいかないこととかあって、嫌になったらさ。...僕のお嫁さんになるっていうのは、どうかな?」
そう言って、抱き締める彼女の顔を覗いてみれば、彼女は目をパチパチさせて驚いた様子で。そんな彼女が面白くて、笑ってしまう。