ダウトー嘘つきには罰をー
「あ……」
前原さんが「しまった」というような顔をして言った。
「うっかりして、相談しちゃった……梨乃……どうしよう……?」
「いや!結衣!ネガティヴに考えないで!二人でこの事件を解決して、二人で一緒にご褒美を貰いましょう!今日帰ったら、ノートに雄二の不審な行動についてまとめて来て!私はあっち方向だから、ここでお別れなの!じゃね!」
前原さんは走って行ってしまった。
「前原さんって……不思議な人だなぁ……」
つい、一人でポツリと呟いてしまった……。
すると、突然。
「ね!ゆーいー☆」
「あっ!美波!」
美波が私の肩にぶら下がっていた。
「今日塾じゃなかったのぉ〜?塾で急いでるから、一緒に帰れないって行ってたのにぃ〜。あんな地味で駄目駄目で最低で最悪でガリ勉の前原さんと一緒に帰ったってわけぇ?私をおいてぇ?酷いねぇ。結衣ってぇ。私、結衣がそぉ〜んな人だったの知らなかったぁ〜。その上私に秘密でぇ?犯人がどうとか言ってたのぉ?雄二君を疑ったりしてぇ?私の王子様の雄二君を疑ったのぉ?え?結衣に雄二君が懐いてるからぁ〜雄二君が好きだって事黙ってたのにぃ。親友だから分かってくれると思ったのにぃ。酷い!」
美波……怖いよ……美波…。まともになって!
「美波!もうやめて!私に一切関わらないで!貴方も雄二と同じヤンデレよ!」
私はそう言い切って、全速力で家に走って帰っていった。
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